ハワイ・オアフ島ホノルルにある日本語補習授業校

卒業生の声

2024年6月10日

令和2年度(2020年度)中学3年卒業式答辞

令和2年度卒業生代表 森美喜

 本日は、私たち中学3年25名の為に、新型コロナパンデミックの中、卒業式を挙行くださりありがとうございます。今年度4月の入学式は中止となりました。新さくらの皆さん、そして新小学一年と中学一年の後輩の皆さんのやり場のない残念さ、悲しさは計り知れません。この長引く非常事態の中、私たちの卒業式も「ダメなのではないか?」と中止を覚悟しておりました。しかし、稲田校長先生をはじめ多くの方々のご尽力とご配慮により、今日レインボー学園創立以来初となる「バーチャル」という形での卒業式を私たちにプレゼントしてくださいました。皆様のご厚意に、卒業生25名を代表して心よりお礼申し上げます。


 先生方、お父さん、お母さん、私たちは今日レインボー学園を卒業します。この答辞を書くにあたって、レインボー学園での思い出を振り返ってみました。すると、あんなに土曜日が憂鬱だったはずなのに、宿題が大変だったはずなのに、思い浮かぶのは友達や先生との笑顔あふれる楽しい思い出ばかりでした。私は小学三年生の時にレインボー学園に転入しました。登校初日は、緊張で震えて、正直なところ早くうちに帰りたかったです。ですが、教室に入るとみんなあたたかくて、すぐに打ち解けることができました。当時英語が全く話せなかった私にとって、日本語が話せるレインボー学園はすぐに私の居場所となりました。


 土曜日をどれだけ楽しみにしていても、毎週来る憂鬱な金曜日の夜。この言葉を聞いただけでゾッとする方もいるでしょう。そうです、宿題と漢字の勉強を終わらせなければいけない日です。お父さんお母さん方にとっても金曜日の夜は丸付けに追われた日々だと思います。ですが、金曜日の夜も含め毎週大変だった宿題も今では懐かしい気さえしてきて、いい思い出です。


 毎週土曜日に学校に行かなければならないのは簡単ではありませんでした。それはきっと皆さんもそうでしょう。朝はとても起きる気にはなれなく、なぜ土曜日に学校に行かなければならないんだと、行き場のない言葉もたくさん発しました。それでも毎週学校に行けたのは、私たちが毎週学校に通いたいと思えるように楽しい授業をしてくださった先生方、レインボー祭りなどの日本の文化に触れられるイベントを考えてくださった保護者の皆様がいてくださったからにほかなりません。そして、授業を受け、いつも私のそばにいてくれ元気付けてくれたクラスメイトの存在でした。


 今年度のレインボー学園初日は、思っていたものとは全く違いました。クラスが一つになり授業も賑やかになるな、とか、最高学年になり運動会の出し物はどんなものがいいだろう、レインボー祭りでは何をやろうか、やっぱり修学旅行はみんなでこんなことがしたいよな、という膨らんでしまっただけの妄想は、行き場を無くしてしまいました。誰のせいでもない、このような状況でやり場のない気持ちを持て余してむしゃくしゃした時もありました。そんな私たちのために、オンライン授業をしてくださった先生方、忙しい中なんとかして私たちの卒業写真を撮る計画をしてくださったお父さん、お母さん、本当に感謝しています。卒業式がこのような形ででもできたことを、とても嬉しく思います。会えなかった分、卒業式のために色々と計画をしてきた私たちの団結力も深まった気がします。


 クラスメイトの皆さん、今日やっと卒業しますね。長かったようで、とても短かったですね。正直、もう毎週土曜日に会えないんだと思うと寂しい気持ちでいっぱいです。嫌々通っていた頃もあったレインボー学園でしたが、いつの間にかとても楽しく、充実した日々を送る自分がいたことに気づきました。休み時間の他愛もない話や、テストの結果を競い合ったりしたこと、運動会の練習で真面目に走るかやっぱり歩いちゃおうか相談したことなど、今年はあまり思うようにいかないことが多かったですね。しかし、これで一つ将来に楽しみができました。次皆さんに会える時は、この世界的なコロナ禍が収まり、マスクをつけず、社会的距離を気にしなくてよい、平常な生活に戻っていることを心より願っています。


 先生方、お父さん、お母さん、精一杯の感謝をこめて言わせてください。

 ありがとうございました!


令和3年3月13日 

                           レインボー学園卒業生代表 中学3年 森美喜


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